前編では、英検3級合格の土台となる単語学習の効果的な方法をお伝えしました。
後編では、多くの受験生が苦手とする英作文を得点源に変える具体的な指導法をご紹介します。
前編の記事はこちらです♪
1:英作文は最大の得点源になる
英作文と聞くと、多くの受験生が「難しそう」「何を書けばいいかわからない」と不安を感じるかもしれません。
しかし、正しいアプローチで取り組めば、英作文は最も安定して点数が取れるセクションになります。
ここで重要なのは、指導する側も学ぶ側も、英作文の目的を正しく理解することです。
英検3級の英作文で求められているのは、「高度で複雑な文章」ではありません。む
しろその逆で、自分が知っている表現の範囲で、スペルや文法のミスなく確実に書けるスキルなのです。
2:英作文能力を育てる「型」の学習
ゼロから英文を作るのは、初学者にとってハードルが高すぎます。
まずは質の高い「型」を徹底的にインプットし、それを応用する訓練が最も効果的です。
ステップ1:例文の完全習得(模写と暗記)
最初に取り組むべきは、市販の参考書や問題集に掲載されている質の高い例文を完全にインプットすることです。
具体的な方法:
- まずは一字一句正確に書き写す(模写)
- 最終的には何も見ずに書けるレベルまで暗唱・暗記する
この地道な作業で得られる正しい文法構造や自然な表現のストックが、後の応用力の確かな基礎となります。
ステップ2:「書き換え」による応用訓練
例文を完全に習得したら、次はその「型」を応用する訓練に移ります。暗記した例文の主語や目的語、動詞などを、自分が表現したい内容に合わせて入れ替える「書き換え」の練習を繰り返しましょう。
例:
- 元の例文:
I like playing soccer. - 書き換え例①:
I like watching movies. - 書き換え例②:
My brother likes reading books.
このように部分的に変更しながら、自分の文章を作る訓練を重ねることで、応用力が確実に身についていきます。
3:AI翻訳ツールを使ってはいけない理由
現代の学習環境において、最も注意すべきなのがAI翻訳ツールの安易な利用です。
一見便利に思えるこのツールは、英作文能力の育成において致命的な弊害をもたらします。
弊害1:英語を自力で構築する「思考回路」が育たない
英作文訓練の核心は、「伝えたい内容を、自分の限られた知識(単語・文法)を駆使して、いかにシンプルで簡単な英語に変換して表現するか」という思考の訓練にあります。AIは、この最も重要な「脳の筋肉」を鍛える機会を完全に奪ってしまいます。
弊害2:知識が定着しない
AIは同じ内容でも毎回異なる、より高度で自然な表現を提示してくれます。これは一見有益に見えますが、学習者の知識レベルを考慮しないため、結果としてどの構文も語彙も定着しません。自分の「引き出し」が増えるのではなく、ただその場限りの英文を写しているだけになってしまいます。
弊害3:スピーキング能力の向上を阻害する
「自分の知識からアウトプットする」という思考回路は、スピーキング能力と直結しています。AIに頼る習慣は、ライティング能力だけでなく、自分の言葉で英語を話す能力の成長をも阻害します。
4:英作文で高得点を取るための本質
受験生を英作文のプレッシャーから解放し、得点力を向上させるために、採点の本質を理解しておきましょう。英検3級の英作文で評価されるポイントは、驚くほどシンプルです。
覚えておくべき3つのポイント:
- 難しい内容を書く必要はない
- 事実や本心を書く必要すらない
- 最も重要なのは「スペル」と「文法」を間違えないこと
この3点を理解することで、「すごいことを書かなければ」という呪縛から解放されます。
知っている単語と文法を使い、ミスなく簡潔に書くことこそが、高得点への最も確実な道筋なのです。
ではいよいよ総合編です!

